(1-3)整体と心身セラピーを複合させる理由(パニック症改善例含む)

 

 

この臨床例はいくつかある方法を捨てて

 

たった一つの体操をやることで

 

一気に好転し始めたパニック症改善例です。




パニック症でデパート、レストランなどどこへもいけなくなり、

家族と一緒に車にも乗れなくなったご婦人がいました。

整体操法を行なおうと思っても、急に息が荒くなって、

立ちあがって歩き始める始末で、整体操法は不可能でした。

そうかといって、メンタルな取り組みをする気があるかというと、

無いといいますかその全然準備もできていません。



私のように心理的な作業と身体的な技術との両方を行っていると

患者は大概次のように考えます。

「メンタルな作業をやらなくても整体で何とかならないか…?」と。

つまり整体をやって問題症状を消すことで治ったことにしたいと思ってしまう。

このパニック症の人もそれは同じでした。

しかし、今回は過去の心理葛藤と身体的葛藤の両方が複合しているように私は感じました。

それは症状の説明をしている中にある特定の人との人間関係になると過敏に反応し、

 

過剰にその人を嫌がる傾向が見て取れたからです。



パニック症については私はホルモン系の乱れがあり、

それは身体を丁寧に整えることでほぼほとんど改善できると考えています。

ただ、過敏現象なるがゆえのクローズアップ現象とでも申しましょうか、

沈殿、潜伏、内向していた心理葛藤が表面化することがあるのです。

それを原因化するかしないかは状況によるとしか言えません。

別の例でこういう方もあります。

 



親族会議で総攻撃を受けたご婦人が帰りの電車内でパニック症を

起こして、急ぎ電車を降りて吐き戻した例がありました。

その問題の会議で最も信頼していたご主人が守ってくれなかったのです。

こうなるとその関係性を修復しないとどうにもなりません。

虐待を受けたときに守るべき人に無視をされる。

これは意外と心理的打撲の度合いが大きいからです。



さて、話を元に戻します。

身体に触れることが出来ないものなら体操はどうかと、ふと思いつきました。

そこで感情安定体操を一つやってもらいましたら…

「これは恐ろしく気持ちがいい」そう言うではありませんか。

それで毎日寝る前に一回だけ行なってもらいました。

なんと!驚いたことにそれでパニック症が急に軽くなっていったのです。

後は回を重ねるごとに回復していき、結局パニック症は治りました。



このようなことがあるので、私はどうしても複合的に指導を行なうようにしています。

このパニック症の人は心理面からはまだ入っていけないと正直に訴えていました。

先にも申しましたように、『 体という私 』に体の面からしか着手できないのは、まぁ一般的ではあります。

そもそもパニック症は心の病気という種類と言うより体の管理が悪いのです。


体操から始めても、感覚を通してからだを支えている『 自然性維持力(*)の働き 』への理解が深まることもあります。

その段階を経たほうが心理セラピー的な展開に入りやすい人もあるようです。

事実このクライアントは最後に一回だけワークを行いました。

すると十数年以上前に実はパニック症を起こしており

その頃の心理圧迫的な生活環境を思い出され、話してくれました。



「自分が自分でないような気がする」「整体で何とかしてください」とか

「焦りがあるので焦りを取ってください」とか言われて、

解消できる範囲もありはします。

しかし、電車で気持ち悪くなった老婦人のように

虐待とも言えるような背景が歴然とある場合は、

単に表面的に症状のみをとると別の身体症状や悩みに堂々巡りするケースもあります。

だから私は一つの方法のみに固着しない方が良いと考えているのです。



当方の指導内容


 ◆ 手当て法
    家庭でただ同然でできる療法、害がなくて効果的

 ◆ 運動法
    整体体操の中からその人の体に合うものを選びます

 ◆ 心身セラピーによるバランス欲求(症状の下の潮流)へのとり組み 




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       ▲ 息が吐けたら喘息が楽になった
       ▲ 喘息やアトピーが出ている時にバイクや車に乗ると治まる



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